(愛媛新聞社発行「えひめ奥様ジャーナル」3月号より)
三月になると、丘にミモザの花が揺れるのを見る楽しみがある。花の上に続く空の白い光りに新しさがみえる。その日から、新しい経験を一つ自分に加えようという希望が湧いてくる。
―五十歳からインターネットを始めませんか―こうお誘いするのも、私が発行している俳誌「水煙」のホームページ「インターネット俳句センター」で活躍している1947年生まれの方がいるからです。「水煙」の投句者の四分の一はインターネットを通しての投句なのです。その中にあって彼女の活躍はみんなの目を見張らせるものがあります。
彼女は重信町在住で、元愛大教授を父にもつ旧家の出身です。昨年の秋にパソコンを購入し、インターネットを始めました。句歴も長く、旧家の出身をうかがわせて、静かで深い内容の句でしたが、インターネットで俳句を発表するようになり、句に一段と明るさが増してきたのです。ホームページの掲示板に毎日十句ほども投句してき、俳句を作り始めた者には、俳句はかく作るべしと
教えてくれ、長く作っている者には怠け心を焼き直してくれるのです。彼女の心に新しい世界が開かれたことは確かです。句を紹介しましょう。
潮騒の駅に揺れいる二日の灯 弘子
寒禽の胸小さくて美しき 〃
「五十歳」の安定した精神は、ネチケットが必要とされるインターネットの世界で大きな役割を果たすものと思えます。そしてこれからの人生を闊達に生きようとされる方には重要なツールになることは間違いありません。大阪にお住まいの障害をもった主婦の方からも次のような句が寄せられ、この新しい世界を楽しんでおられるのは嬉しいことです。
青空の寒天作り能勢の里 佐夜子
シクラメン明日は真紅の花と思う 〃